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慰霊の日・母として [3姉妹+私]

今年もまた「慰霊の日」がやって来た。
65年前の6月23日に沖縄戦の組織的戦闘が終結したとされ、沖縄県ではこの日を「慰霊の日」と定め戦没者の御霊を弔う行事が各地と執り行われ、恒久平和を願う日を送る。

今年に入り、沖縄の心は普天間問題で大きく揺さぶられた。
期待と失望。
何の力もない一個人の私に何が出来るのだろうと考えさせられることばかりだった。

そんな堂々巡りの日々の中、あることを思い出した。

私が高校1年の時に受けたロータリークラブの交換留学生の試験・面接でのこと。
その当時、ロータリークラブの地区ガバナーをなさっていた小島さんがおっしゃった言葉。
「ロータリークラブでは、世界各国から来る交換留学生を集め交流を持ちます。アメリカだけじゃない。いろんな国の学生達と。
そこへ日本の女子学生を送る意義はとても深いものです。
女子学生はいつの日か母親になるでしょう。
母親は子供に一番影響を与える人です。
女子学生が交換留学の体験を通して得た物を、母親になった時その子供達へ受け継いでいく。
それこそが国際理解に繋がると信じています。」
面接当時は「この交換留学の体験を通して得る物」と言う言葉の真意は何なのか、漠然として分からなかった。
もちろん、それを将来自分の子供へ受け継いでいくなんてことは二の次、三の次だった。

1年間のアメリカ滞在中、ロータリークラブが主催する交換留学生を集めた会合に出席したり各国から集まった90人の留学生と約1ヶ月に渡りアメリカ全土をバスで旅行すると言う素晴らしい体験や友情から得たもの。
それは、「国が違っても、言葉が違っても、宗教が違っても、肌の色がちがっても、同じ人間。」と言うシンプルなことだった。
「友達の国で何か災いがあれば、心配になる。」「友達の国と戦争を起こすようなことだけはしたくない。」と言うことにたどり着いた。

最初に就いた仕事は、さらにその世界を広げた。

無力感を感じながら思い出したもの。
母親になった今こそ、私にできることがあるはず。
小さな力かもしれないけれど、今できること。

言葉が違っても、肌の色が違っても、信じるものが違っても、皆同じ人間。
必ず心は通じ合える。
その同じ人間同士が争い殺しあうことがどんなに愚かで悲しいことなのか。

この小さな子達に伝えていきたいと心から思った。
そしてこの子達にも自分自身の目で「皆同じ人間なんだ。」と言うことを将来確かめて欲しい。
そのキッカケに私(母親)がなれれば・・・。

今年の慰霊の日に是非読んであげたいと、探し出した絵本。
「マブニのアンマー(お母さん)」

マブニのアンマー―おきなわの母

マブニのアンマー―おきなわの母

  • 作者: 赤座 憲久
  • 出版社/メーカー: ほるぷ出版
  • 発売日: 2005/07
  • メディア: 大型本


(*内容: 戦争中マブニのガマ(壕)で自害した息子を探し、母・マツの骨探しが始まる。「迎えにきたよー」と言い、息子によく歌ってあげた歌をうたいながら息子の骨を探すマツ。次々と掘り出される骨は敵・見方関係なく、どんな思いでこの地で死んでいくのかをマツに語りかける。そのひとりひとりを供養しながら11年目にやっと息子を見つけたマツ。骨だけになっても母ならばすぐに分かる我が子。歌をうたってあげながら最後は息子を供養する。)

ここでもキーワードが「母親」になっている。

ただ一心に我が子の健やかな成長と幸せを願うのが親。
子供たちにとって平和で笑顔にあふれた日々でありますようにと祈るのはどの国でもどの時代でも変わらないはず。
そんな想いに一点の陰りなく過ごしていける日が世界中に来ることを願ってやまない。

      ブログで知り合った広島ピアノさんからのお心遣いで、慰霊の日にこの素敵なキャンドルを頂きました。
      制作はキャンドル・アーティストの
Takami*さんです。
      本当にありがとうございました!
    子供たちと黙祷をささげ、平和を祈りました。
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兎猫

自分は母として役目をちゃんと果たせたのだろうか・・・?
そう自問しながら読ませていただきました。
沖縄の戦後がまだ終わってないこと、世界の紛争と隣り合わせなこと、
今回の普天間基地問題で改めて思い知らされた一人として、
お子たちの小さな掌を合わせる姿に胸が熱くなりました。
そして、Rinkoさんの想いがちゃんとお子たちに伝わっているんだな~と。
素敵なキャンドルの暖かい光とともに、そのぬくもりが大切に守られますように。
by 兎猫 (2010-06-24 02:00) 

Rinko

>兎猫さん、
優しいコメントをありがとうございます。
今年はさらに特別な思いでこの慰霊の日を過ごした人々が多かったように思います。
ラジオの若いDJでさえ、現状に対する自分の想いを語っていました。
どんな小さな想いでも、語り・伝える。大切だなーと実感した1日でした。

>c_yuhkiさん、
nice!ありがとうございます♪♪
by Rinko (2010-06-24 07:26) 

広島ピアノ

私も自分の母からは多大な影響を受けています。
父親が仕事でいつも帰りが遅かった、と言うのもあるかも知れませんが、子供にとって親と言えばまずは母親なのかも知れません。
知覧に残っている特攻に行った青年の遺書もほとんどが母親宛でした。
子供が一番最初に出会う教育者が母親だとしたら、ガバナーの小島さんがおっしゃっていたことには同感です。
by 広島ピアノ (2010-06-24 12:15) 

ツカ

17年ぶりに島に戻って迎える慰霊の日。
改めて平和への願いと、戦争への悲しい思いが
体中を駆け巡ったよ。

それと同時に感じたことは、本土との温度差。
向こうでは慰霊の日のことは全くと言ってイイほど
報道されず、少しだけニュースで流れる程度。
沖縄では1日中、平和について、戦争の恐ろしさ愚かさを
メディアは取り上げ、イベントも行われているというのに。。。

これは教育の問題なんだと思う。
意識の高い人はしっかりと関心を持っているよね。
でも、意識を高めなくても当たり前のように平和について、
戦争の恐ろしさついての教育をしていくべきなんだよね、本当は。

そのためには先ず家族というコミュニティーの中で、
子供たちに教えていくことが大切なんだね。
親の考えが子供に多大な影響を与えるってことを、
改めて感じたわ。

3姉妹ともしっかりと受け止めてくれているだろう。
お姉の体験を、たくさんたくさん教えてあげてね♪

それにしてもステキなキャンドルをもらったね〜♪^^
3姉妹の頭文字が描かれているのかな?
癒されるね♪
by ツカ (2010-06-24 14:25) 

kotobuki

恥ずかしながら、こういった話をまだ子供たちと一度も話したことがありません。 長女Mももう中1、これをきっかけに一度真剣に考えてみたいと思います。 小さいころから子供たちに図書館の本を読んであげていますが、ここに紹介されている本など(他にもちょっと可哀想なものなど)を読んでいると、こちらが泣けてきてしまうので、つい借りるのを控えてしまいます。(反省)^^;
by kotobuki (2010-06-24 22:23) 

Rinko

>広島ピアノさん、
キャンドル、本当にありがとうございました!
こうして、今年の慰霊の日をまた特別な想いで娘たちと過ごすことができました。
父親も育児に積極的に参加する今の時代、『母』だけ・・・とは思いませんが、やはり役割ってありますよね。
今年に入ってからの一連の動きで、結構凹んでました。
でも、ムリせず私にできることから。一つ一つですね。

>ツカ、
沖縄と本土の温度差。本当に歯がゆいほど感じるよね。
メディアの扱いも全然違う。
仕方のないことかもしれないけれど、それを「仕方ないね」で済ませたくない。そんな小さな抵抗もあって、今年はこうしてまたまた重い記事を書かせてもらいました。

ここでコメントをしてくださる方々には本当に感謝します。
コメントしづらいよね。こんなテーマ。
でも、ちゃんと向き合ってそれぞれの意見を残してくださる。
本当にありがたいです。

私にとって子供たちに受け継いでいける唯一のものかもしれないね。
ガンバリます。

>kotobukiさん、
なんだかコメントしづらい内容なのに、本当にありがとうございます。
kotobukiさんがおっしゃってくださるように、この記事を読んだ方のキッカケになれば・・・どうしようか迷いながら記事にした甲斐があります!

実は、私も絵本や本を読んであげながら泣くたちで・・・^^;
この絵本も我が家に送られてきて早々に1度読んであげたのですが、しょっぱなから号泣で、読み聞かせになりませんでした。^^; いやはや。
今回はちょっとウルウルっときましたが、どうにか最後まで持ちこたえました!成長!笑

by Rinko (2010-06-24 23:26) 

月と、

私沖縄に行って本当に胸が痛かった。広島や長崎とは全く異なるものだった。

あの空や海が、何故かほのかに悲しくて、でも美しくて、平和の意味をじっくりしっとり感じれた。

なんくるないさ、や、てーげー。ゆいまーる。

これらは、きっとあの沖縄戦から深く静かに根付いた沖縄の人の精神がそこにあると感じた。
国際的なものを越えて、すべての心に寄り添おうとする沖縄の綺麗な心。飛行機から降りたって、山口に帰るまで、帰ってからも、大きな支えとなったよ。だからこそ、あの普天間の問題は心底歯痒かった…。


本当に…何が出来るんだろうと、悶々した期間でした。
by 月と、 (2010-06-25 02:24) 

月と、

母親ってやっぱり自分で選んで来ただけの事があるなって感じる。私が笑えるのも、何でも美味しいと言えるのも、全部母親の顔が浮かぶ…。

あぁ、この母親でなければいけなかった。って本当に思うよ。
by 月と、 (2010-06-25 02:29) 

Takami*

とてもかわいい3姉妹とキャンドルの写真を
ありがとうございました♪
無事に届いて何よりです

私のブログでも掲載させていただきました
いつか沖縄でワークショップ開催を夢見て・・・^^
by Takami* (2010-06-25 12:37) 

mykaira

今の幸せ、平和があるのも作り上げてくれた人が居るからこそ。という気持ち忘れないでいたいですね。
by mykaira (2010-07-03 09:28) 

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