沖縄慰霊の日・2018 [長女]
6月23日。
この日沖縄は祈りに包まれる。
73年前、唯一地上戦のあったこの地では
住民を巻き込み県民の4人にひとりが命を落としていった。
ここで生まれ育った私にとって
6月23日に恒久平和を願い
何の罪もなく命を奪われていった人々を想い
首を垂れることは もう習慣のようになっている。
ただ、各地で行われている『慰霊祭』に これまで一度も参列したことはなかった。
長女の通う高校は歴史が古く
73年前、在学していた男子学生は学徒隊として戦争に駆り出され
生徒・引率の教師合わせて300人余りが戦火に散っていった。
毎年この6月23日には高校近くにある学徒隊を祭った場所で
遺族・同窓会・学校がひとつになって慰霊祭を行っている。
そして長女は吹奏楽部として入学以来毎年そこで演奏しているが
高3になり、そこでの演奏は今年が最後になった。
また、今年は生徒による献花の代表にも選ばれたと聞き
ちょうど23日が土曜日となっていたこともあり
最後のチャンスだと思い 夫と慰霊祭へ参列してきた。
夫にとっても母校である。
今年の慰霊の日は梅雨明け宣言のなされた暑い日になった。
緑に囲まれたその場所は
沢山のセミの鳴き声が響き渡っていた。
時折吹いてくる南風がとても心地よく
慰霊祭が始まるまでの数分間
その風を感じセミの声を聞きながら
73年前に想いを馳せてみた。
こんなに穏やかな季節の中で
73年前はどんな地獄絵の様な図が広がっていたんだろう。
式典で生徒代表が読んだ当時の生徒の残した遺書を
同じ年代の子を持つ親として
胸が締めつけられる思いで聞いた。
献花する生徒代表たち
家の中で黙祷をささげるのではなく
慰霊祭に参列し その空気に触れながら感じたこの心の感触。
今年の慰霊の日は私にとっても忘れられないものとなった。
思わず目を閉じ耳をふさぎたくなる悲しい歴史だけど
決して忘れてはいけない歴史。
そのことに触れながら3年間の高校生活を送れたことは
長女にとって大切なことをまた一つ心へ植える機会になったはず。
この先も忘れないでいようね。
そして繰り返さないでいこうね。